野中の清水
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のなかのしみず
画題
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解説
画題辞典
野中の清水は播州印南野にあり、昔はいとめでたき水にてありしが、末には悪水となり、人の飲むに堪へぬものとなりしということなり、それより元の妻のことなどを野中の清水としいうほどになりたり。古歌に
古への野中の清水みるからに さしくむものは涙なりけリ
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
播磨の国の印南野にある清水、昔はめてたい水であつたが、末の世にはぬるくなつた、だが音を伝へ聞いた人は今もこれを尋ね飲むといふ、又、昔連れそうた女、或は後妻の異称ともなつてゐる。 (大言海)
古への野中の清水ぬるけれど本の心を知る人ぞ汲む (古今集十七)
相住みける人心にもあらで別れにけるが年月をへてもあひ見むと書きて侍りける文を見出て遺はしける
いにしへの野中の清水みるからにさしぐむものは涙なりけり。 (後撰集十二)
大和絵の画題として扱はれる。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)