遊行柳

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ゆぎょうやなぎ


画題

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解説

東洋画題綜覧

遊行上人の法力によつて心なき柳の精が成仏する伝説を骨子とした能の曲名、信光の作で、前シテ老人、後シテ柳の精、ワキ遊行上人、処は陸奥である、一節を引く。

「ふしぎやな、さも古塚の草深き、朽木の柳の木の本より、其様化したる老人の烏帽子狩衣を着しつゝ、顕れ給ふはふしぎなり、「何をか不審し給ふらん、はや我姿はあらはしぎぬの、日も夕暮の道しるべせし、其考へにて候ふなり、「さては昔のみちしるベせし人は朽木の柳の精、「御法の教へなかりせば、非常無心の草木の台にいたる事あらじ「中々なりや一念十念「唯ひと声の内に生るゝ「弥陀の教へを、「身にうけて、「此界一人念仏名、西方便有一蓮生、但使一生常不退「此花かへつてここにむかひ、上品上生に至らん事ぞうれしき。      

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)