辻君

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つじぎみ


画題

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解説

画題辞典

道路に立ち、行く人の袖を引きて媚を呈し色を鬻ぐ女を辻君という、哀れ深き風情は亦一の画材たるを失はず。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

徳川時代に辻で客を引き、春を鬻ぐ女のことをいふたのであるが、一説には辻君は道に立つものでなく、路傍に客の袖引くを立君と呼んだといふ。

其絵をみるに、黒き布子に白き半えりをかけたる振袖をきたり(中略)古は辻君といひしと覚えたるは非なり、「甘露寺職人尽」立君とある是なり、『宵の間はえりあまさるゝ立君の五条わたりの月ひとりみる』つじ君は厨子君なるを辻と心えたるは街に立つの故なり、つじ君は家に居るものなり。  (嬉遊笑覧九)

と、月の光淡くさし込む木立のかげなどに佇む風情、また画趣があり、画材たるを失はず、浮世絵に見ることがある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)