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ぞう


画題

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解説

東洋画題綜覧

象は哺乳動物中の最大なるものゝ一つて今盛に棲息してゐるのは印度、パーマ、泰国辺と、アフリカ一帯である、印度地方の象は牝は牙がないが、アフリカ地方の象には牝牡共に立派な牙を有し且つ耳が大きい、その皮膚厚くして毛を生せず、特長は鼻で、基が太く先が細く自由自在に伸長し、然も尖端は感覚が鋭敏で、その上巧みにものを搦め取る、四肢は太く柱の如く、全躯の大さは高さが九尺余に達し、鼻の先から尾の端までは二丈余に達する、所謂象牙はその門歯で大なるものは三尺余に及ぶ、印度や泰国では昔からよく飼ひ慣らして労作に使用し軍用としての訓練もする、普賢菩薩の騎乗するものとして芸術にも関係が深い。

沈南蘋筆   『太平有象図』   島津公爵家旧蔵

原在中筆   『杉戸の象図』   京都相国寺蔵

伊藤若冲筆  『象鯨屏風』    川崎男爵家旧蔵

川口呉川筆  『印度象渡来図』  第七回帝展出品

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)