詩経図

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しきょうのず


画題

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解説

東洋画題綜覧

詩経は主として支那周の代の歌謡を集めたもので、これを三つに分類して風、雅、頌とする、周の時に天子五歳に一度巡狩し采詩の官を設け、各地の歌謡を探り、これを音律に合せて、その地の民情土俗を知り政治の運用に資し、また一般に諷誦せしめて以て教化を助くるに用ひた、いまに伝ふるもの実に三百篇、みな孔子の手訂を経てなつたものといふ。

詩経は斯く古代の歌謡を集めたもの故、各地の習俗を知り好尚を窺ふには極めて興味深くこれが為め、これに現はれた草木虫魚などの解説も出で、一篇々々を絵としたものも存してゐるが、近く結城素明筆『詩経図』(第四回帝展出品)があり、『何彼襛矣』『采蘋』『小星』『殷其雷』『葛覃』『甘棠』の六図を画いた。何れも巻一『国風召南』からである。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)