西施

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せいし


画題

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解説

画題辞典

西施は越の美人なり、初め苧羅村西に住し薪を売る、故に西施という、曽つて心を病みて顰す、里の醜人見て以て美となし、帰りて顰せりという、世に西施の顰に做ふというは此に起ることなり、越王勾賤会稽に敗れて帰るや、呉王夫差の色を好むを知り、范范蠡をして西施を取り、鄭且と合せて呉に献ぜしむ、呉王其色に溺れ遂に国を亡ぼすに至る、支那美人の範として図せらるゝ所多し。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

支那周代の美人、初めは越の国苧羅山に薪を売つてゐたといふ、その西施といふのは山の西に住んでゐたからで、醜婦その姿を見るや、その美に恍惚として顰せりといふ、西施の顰に倣ふの話は此に起る、越王勾践、会稽に敗れて帰るや、呉王夫差の色を好むを知り范蠡をして西施を拉置し、これを夫差に献じた、夫差その色に溺れて遂に国を傾くるに至る、古来代表的の美人として画かるもの極めて多い。

西施、越謀滅呉、蓄天下奇宝美人異味、進於呉殺三牲、以祈天地殺竜蛇、以祠川岳、矯以江南億万戸民輸呉為傭保、越又有美女二人、一名夷光、二名脩明、(即西施、鄭且之別名)以貢於呉、呉処以椒華之房貫細珠為簾幌、朝下以蔽景、夕捲以待月、二人当軒並座、理鏡靚粧於珠幌之内、窃窺者、莫動心驚魂謂之神人、呉王妖惑忘政、及越兵入国、乃抱二女以逃呉苑、越軍乱入、見二女在樹下、皆言神女、望而不敢侵、今呉城蛇門内有朽株尚為神女之処云々。 (拾遺記)

これを画ける作。

長沢芦雪筆  『呉美人』     帝室博物館蔵

荒木寛畝筆  『楊貴妃と西施』  荒木十畝氏蔵

梥本一洋筆  『綵紅』      第十一回帝展出品

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)