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ちょう


画題

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解説

東洋画題綜覧

蝶は蛾と共に鱗翅類の一部を為すもので、古来其色彩の美を以て洋の東西を問はず世人に愛せられてゐる、目下本邦に産する蝶の種類は約五百種に近く、北は樺太から南は台湾に互り、温帯亜熱帯及熱帯型胡蝶を網羅してゐる、蝶の習性は蛾と異り昼間性で、夜間活動することなく、概して性活撥、行動敏捷で花卉を訪れ蜜を吸収して生活する、併し種類によつては花を訪ふ事なく、櫟楢等のやうな甘い液を浸出する樹幹に集つて之を吸収するものもある、(例へば、ひをどしてふ、るりたてば、おほむらさき等、)又馬糞の如きものに集つて其に含まるゝ液汁を漁るもある(例へばやまきてふ、きただうてふ等)尚種類により日光を好むもの陰所を好むもの等あり、だが一般に温暖無風の晴天を好み、寒い日や風の日を忌み、かうした日や天候不良の日は、草間又は樹蔭に潜み、葉裏に静上し活動を休止してゐる、夜間も同様である。蝶には其発生の季節により大きさ、色沢、斑紋等大に異にするもの多く、一般に春発生する個体は小形淡色だが、夏現はれるものは大形で、色沢濃厚斑紋鮮明である。秋に現はれるものは前二者の中間形を呈する。大別して鳳蝶科、粉蝶科、斑蝶科、蛺蝶科、蛇目蝶科、小灰蝶科、せせり蝶科等に分ち、更にこれら各科が沢山の種類を網羅している。

蝶を画いた名作左の通り、

趙昌筆    『篠虫図』     井上侯爵家旧蔵

同      『竹虫図』     浅野侯爵家蔵

円山応挙筆  『群蝶襖』     讃岐金比平神社蔵

沈南蘋筆   『鳥獣花鳥六曲』  小林九層台旧蔵

宋済川筆   『草花虫図』    井上侯爵家旧蔵

芸阿弥筆   『西瓜蝶図』    岡本氏旧蔵

常信筆    『牡丹蝶図』    島津侯爵家旧蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)