蜜柑

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みかん


画題

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解説

東洋画題綜覧

古名橘、芸香科の常緑灌木で、亜細亜南部の原産、暖地に栽培される、紀州有田は有名な産地として聞えてゐる、高さは約一丈位、葉は長卵形、花は白色五弁で六月頃に開花する、果実は黄赤色の扁く円い漿果で、特殊の香気がある、人皇十一代垂仁天皇の御宇田道間守が勅命を奉じて常世の国から齎し帰つたといふ伝説がある、晩秋の頃から果実が色づきはじめ、冬の万目簫条たる時、鮮緑の葉の間から黄金色の果実を点綴する美しさは画趣極めて深く、『冬暖』などといふ題名に依つて画かるゝもの極めて多い、山水画としても蜜柑畑はよく画材となつてゐる。

横山大観筆   『蜜柑』         昭和八年東京会出品

藤井白映筆   『秋の日』        第八回院展出品

望月春江筆   『明るきかぐのこのみ』  第拾回帝展出品

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)