蜘蛛絲梓弦(くもの絲)」

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総合

明和2年(1765年)江戸市村座で『降積花二代源氏』の一番目大詰に上演されたもの。
源頼光と四天王が活躍する『前太平記』の世界の「土蜘蛛退治」の伝説を劇化した作品の中で代表的な作品である。
「蜘蛛の糸」所作事の系譜の始まりともいえる。


<梗概>
頼光の寝どこで宿直をしている坂田金時と磯井貞光の所に切禿の童がお茶を持ってやってくる。問答の後、馬貝の所作となり、切禿は頼光の寝床に入ろうとするが、金時・貞光に変化と見破られて姿を消す。
金時・貞光は眠気覚ましに碁を始めると仙台座頭が登場し、2人の所望により仙台浄瑠璃を語るが、やがて変化の正体と顕わし、寝所へ踏み込もうする。しかしまたも金時・貞光によってさえぎられる。
実は土蜘蛛の精である山伏と梓巫子との振り事の後、実は枡花女であった梓巫子に山伏は正体を見破られ、金時・貞光によってついに土蜘蛛の精は退治される。



<参考文献>
山崎泉『市川左団次の『蔦絲蜘蛛振舞』について』「日本大学 語文 82号」1992年