藤原山蔭

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ふじわらの やまかげ


画題

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解説

前賢故実

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中宮亮高房の子。從三位を叙せられ、中納言に任ぜられた。かつては家族を連れて筑紫へ行く途中、道で漁師が亀を殺そうとしたところを見て、山蔭は哀れに思い、亀を買って逃したことがある。山蔭には二歳の子供がいて、凶悪な継母がずっと前からこの子を殺したかった。ある日、一家は船で海へ出たとき、継母は侍女と謀りわざと手を滑らせて子供を海へ落した。山蔭はびっくりしてどうしたらいいか分からなくなった。その時、一匹の大きな亀が現れて、山蔭の子供を背負い、波を蹴って進み船を追ってきた。山蔭は亀から子供を取り上げ、子供の溺死を免れた。これは、命を助けてくれた山蔭に対しての霊亀の恩返しだった。仁和四年薨去、享年六十五歳。霊亀に助けられた山蔭の子供は、のちの如無僧都であった。

(『前賢故実』)