薬山李翺問答

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やくざんりこうもんどう


画題

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解説

東洋画題綜覧

唐の礼州薬山惟儼と朗州の刺吏李翺閑とが禅の問答を謂ふ、惟儼は絳州の人、年十七にして潮陽の慧照に参じ次で衡嶽の希操に戒品を受け、後礼州の薬山に入つた、学徒の来つて道を問ふもの極めて多い、李翺閑は韓退之の門を出た妙文の士で、深く惟儼に帰依し屡々これを招じたが起たず、李は遂に自から往つて道を問うた、即ち此の問答である。

朗州の刺吏李翺閑来つて儼に謁す、遂に警悟を成す、又初め儼を見る、経巻を執り顧みず侍者白して曰く、太守此に在り、翺性褊急なり、乃ち倡言して曰く面を見れば名を聞くに似ず、儼乃ち翺を呼んで応ず、唯曰く太守何ぞ耳を貴んで目を賎むや、翺拱手之を謝し問うて曰く何をか道と謂ふやと、儼天を指し浄瓶を指して曰く、雲は青天に在り、水は瓶に在りと。  (宋高僧伝)

これを図したるもの、京都南禅寺蔵、馬公顕の作最も聞ゆ、国宝である、なほ啓書記、狩野元信にもその作がある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)