蕎麦

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そば


画題

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解説

東洋画題綜覧

蕎麦は蓼科の一年草で、葉は長三角形の互生葉柄の基部に籜があり、花梗は節々に苞があつてその腋から数多の小さい花梗を岐ち、その上に小形の白色の花をつけ、茎は多少紅色を帯びてゐる。もと中央亜細亜地方、シベリヤのバイカル湖附近に自生したものといふ。我が国では奈良朝の元正天皇の御宇、既に蕎麦栽培に就いての詔書があり、『続日本紀』には仁明天皇の承和六年にこれが栽培を奨励せられたことが見えてゐる。畑の中に蕎麦の花が盛んなさまはまことに俳趣味あるもので、古来盛んに吟詠に上つてゐる。

蕎麦はまだ花でもてなす山家哉  芭蕉

棚橋や夢路を辿る蕎麦の花    素堂

横雲や離ればなれの蕎麦畑    其角

絵にもよく描かれ、近くは福田平八郎、小山大月、水上泰生等にその作がある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)