臨済一喝

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りんざいいつかつ


画題

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解説

画題辞典

喝とに支那唐朝以来.禪僧の間の問答に用ひらるゝ一種の叫声なり、言語道断心行處滅、謂ゆる口にも言葉にも言ひ顕はされざる妙境に到れは、唯この一喝を叫ぶ、是れ即ち禪僧の謂ゆる天地万物明歴々露堂々法身如來の境なり、臨済の宗祖義玄好んで此一喝を喰はす、随つて後世此宗のもの最も勇猛に此を用ゆ、喝の四種に就いて師衆に示す所あり。或時一喝如二金剛王寶劒、或時一喝如踞地獅子、或時一喝如探竿影、或時一喝不作一喝用、題して臨済一喝といふにも即ち臨済の僧家が不可言の妙境に入りて一喝を叫ぶを図したるもの、古く遮莫画く所、東京美術學校に在り、明治時代に於ては橋本雅邦この図の大幅を作りて世評を博せり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

喝とは禅僧が問答に用ゐる叫びである、臨済禅師は好んで問答に此の喝を喰はせて禅機の妙趣を発揮したので、以後これが盛に用ひられ、殊に臨済宗では此を用ふることが多い。

橋本雅邦に『臨済一喝』の傑作あり、以来画題として行はるゝに到る。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)