膳巴提便
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かしわでの はすび
画題
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解説
前賢故実
欽明天皇六年春、巴提便は、帝の使いとして、家族と一緒に百済へ行き、冬になると帰る予定であった。ある日の夜、風雪があり、巴提便の幼い子供が失踪してしまった。探しても見つからず、屋外には血痕と虎の足跡があった。そして、巴提便は虎の足跡を追い虎のすみかに辿り着いた。そこにいる虎は、額が白く、口を大きく開けて勢いよく巴提便を噛付こうとした。巴提便は激怒し、直進して左手で虎の舌根を掴み、右手に持つ刀ですばやく虎を刺殺した。さらに、剥いだ虎の皮を持ち帰って献上した。
藤原忠房
たれもこのかなしき
だれもこの かなしきときは みをすてて とらのしたきる なもたちぬべし
(『前賢故実』)