脇の為手

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総合

わきのして。

主として近世以前に用いられた言葉で、能の立ち役のうち、シテ以外の、いわゆる脇役を担当する演者を指す(ただしアイは「ヲカシ」と呼ばれ、「脇の為手」の内には入れられなかったようである)。現在では、ワキ・ツレなど、別々の役名で呼ばれているものが、古くは一括して「脇の為手」と呼ばれていたわけである。

近世に入ると、ワキ・ワキツレなど、現在のワキ方に当たる役を「脇の為手」と呼ぶようになり、現在のツレに当たる役は、それとは別に「連のシテ」と呼ばれるようになった。近世においては、ワキは謡の教授という仕事も受け持っていた。それを行うか、立ち役としてのツレなどの脇役だけを担当するかによって、「脇の為手」と「連の為手」が区別されたものと推測される。