能の愛好者

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能の愛好者とは

能の愛好者とは、本コンテンツにおいて用いる言葉である。素人として、プロののうの演者について能(部分的上演形態を含む)を稽古けいこし、時には能舞台のうぶたいなどで発表会を行う人のことである。愛好者は、同時に鑑賞者であることが普通である。

愛好者の存在と能

能を支える人として、愛好者は欠かすことのできない存在である。能は演者だけで成り立つものではなく(→「鑑賞者」)、愛好者や鑑賞者の存在が、芸の面・経済面での支柱となっており、それによって能の存続が支えられていると言っても過言ではない。

愛好者の稽古の実態

愛好者の稽古は、具体的には次のとおりである。

シテ方してかたにつく場合
うたいの稽古から始まることが多く、次いで仕舞しまい舞囃子まいばやしのう(上演形態としての能)へと進んでいく。謡だけ、仕舞だけ、謡と仕舞だけ、などのように、その一部だけを稽古する人もいる。
囃子方はやしかたにつく場合
ふえ小鼓こつづみ大鼓おおつづみ太鼓たいこの四種があり、それぞれ、笛方ふえかた小鼓方こつづみかた大鼓方おおつづみかた太鼓方たいこかたの演者について稽古する。
狂言方きょうげんかたにつく場合
本狂言ほんきょうげんを稽古する場合が多いが、間狂言あいきょうげんを稽古することもある。

なお、素人で、ワキ方わきかたについて稽古をする人は、きわめて少ない。ワキ方は、能の中で重要な役割を担うことは言うまでもないが、全体として、シテ方に比べて目立った動きをしたり華やかな装束を着たりすることが少ない点に要因があるようである。

愛好者から師範へ

能楽師のうがくしには、代々能楽師を継いでいる家の出身者が少なくないが、中には愛好者から始まって、能楽協会のうがくきょうかいで認められている師範しはんの免許を得る人もいる。それは、趣味・愛好が高じて、素人からプロに移行したという意味でもある。

能は元来、専門の家の演者によってのみ演じられるものであったが、室町時代末期あたりから、専門の家以外の人物の中にも、うたいを稽古する人・教える人が現れ、近代に入ってからは、江戸時代から謡を稽古していた家の後継者を中心に、本来は素人の愛好者であった人がプロの能楽師になる例が多くなった。現代では、先祖が能に関与していた家の出身でない人にも道が開かれている。最近では、能楽協会によって、プロを養成するための養成講座も用意されている。