義経弓流し

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よしつねゆみながし


画題

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解説

画題辞典

源平屋島の合戦に、兩軍接戦益々激く鎬を削り、源氏の大将九郎義経、自ら馬を進めて海に乗り入れ、馳駆して攻め戦ふ、舟の中より平軍は、熊手鎌もて義経が甲の錣にかけて引かんと争ふ、その時義経ふと弓取り落し、うつぶしに鞭にて掻き寄々々、危険の裡に辛うじて之を取る、その時老兵ども假令千疋万疋に換ふべきものなりとも、命に替へべきにあらざるをと難じければ、義経答へて弓の惜しきにあらず、叔父為朝が弓ほどの強弓持ちたらんには、わざとも落して取らすべし、尫弱なる弓を敵の取り持ちて、是こそ源氏の大将軍九郎義経が弓よと嘲弄されんが口惜しさに、命に替へて取りたるぞといはれしとなり、之を義経弓流しと稱し、屢々歴史画の画題とせらるゝ所なり。

(『画題辞典』斎藤隆三)