男伊達

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総合

【日本国語大辞典】

男の面目を立て通したり、意地や見えを張ること。また、そのような人。江戸時代、男気があり、強い者をくじき弱い者を助け、信義を重んじ、義のためには命をも惜しまない気風を誇ったが、実際には、腕力の強い者や無法の徒であった。[反]女伊達。


【日本大百科全書(ニッポニカ)】

男を立てるために、いったん心がけたことを貫き通す意地をもち、強きをくじき弱きを助ける義侠(ぎきょう)心に生きた人間像。男立とも書く。この風俗は、 16世紀末より盛んになり、ひときわ目だつ異装、異様ないでたちで、世間を我が物顔に横行闊歩(かっぽ)し、その精神面においても、またその行動面においても、人に目だつことに誇りをもった。江戸前期に無頼の旗本がこの風に染まり、男伊達の本領を忘れて巷(ちまた)を横行したが、これを旗本奴(はたもとやっこ)といい、その乱暴狼藉(ろうぜき)に対抗して立ち上がった庶民を町奴(まちやっこ)とよんだ。やがてこれらが弾圧され、のちに侠客(きょうかく)と称する者が登場してくる。 [稲垣史生]


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