田捨

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でんすて


画題

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解説

東洋画題綜覧

徳川時代の女流俳人、丹波柏原山里の人、聡明にして才あり、六歳の時甫めて句を吟じて曰く

ゆきのあさ二の字二の字の下駄のあと

と、このこと遠近に伝はる、さる高貴の人、句を賜うて曰く、『茅原に惜しやすて置く露の玉』と、やゝ長じ、北村季吟に就いて和歌を学び、二十歳の時他へ嫁したが、三十に満たずして夫を喪ひ僧盤桂の門に入る、歌を詠じて曰く

秋風の吹き来るからに糸柳心ほそくも散る夕かな

と髪を剃りて尼となり、妙融と号し小庵を播州網干に結び、元禄十一年八月六十五歳で歿した。  (野史)

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)