ねこのそうし
お伽草紙の名、昔禁裏より布令があつて、一切の猫を皆放飼せしめたので、鼠共恐慌を来し、一度は都を立退いて田舎の方へ移住しやうとしたが、それも業腹だとて、かなはぬまでも猫と戦ひ勝負を決しやうといきまくを或寺の僧が仲裁に入つて猫鼠双方をなだめ理を説き聞かせて和睦させるといふ筋である。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)