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たぬき


画題

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解説

東洋画題綜覧

狸は犬族の一種で、大さは地方に依つて多少差はあるが大体鼻の先から尾の先まで二尺九寸一分、鼻の先から尾の根まで二尺一寸、毛色は夏冬違ふが褐色を為し顔は額が広く口先尖り頬には比較的長い毛が生へてゐる、眼は窪んで割合に小さく耳も亦短い、深山幽谷に棲まず、人里近い丘陵や岩石の間、樹木の洞窟などに棲み野鼠など捕食する、昔から狸に関する伝説や口碑は極めて多く、その腹鼓といふこともよく人口に膾炙されてゐるし、絵にも描かれる。

狸を画いた作は中々沢山ある。

円山応挙筆  『月下狸』    三州田原氏旧蔵

森徹山筆   『同上』     江州浅見家旧蔵

谷文晁筆   『三狸遊興図』  波多野古渓氏旧蔵

木島桜谷筆  『寒月』     第六回文展出品

矢野義雄筆  『宵月』     第十一回帝展出品

なほ望月金鳳は狸を得意とし、世人狸金風と称する位であつた。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)