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つばめ


画題

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解説

画題辞典

つばめはつばくらめの略称なり、春分に曖地より来り秋分に去る小鳥にて、羽色紫黒にて首の下部赤く翅長く尾も長く叉状をなす、五月雨頃に飛び交ふさま風情多く屡々画材なり。

馬遠筆竹燕(浅野侯爵所蔵)、緒方光琳筆燕(原富太郎氏所蔵)

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

燕は燕雀目の燕科に属し、最もよく知られている鳥である、体は細く嘴が扁平で、略三角形を呈し開くと口の辺までに至る、これは飛びながら虫などを捕食するためである、羽毛は光沢のある黒色で腹は白く、顔から咽喉へかけて栗色を呈し、尾は長く叉状をなし先に白い斑があることは普通に見る種類で、此の外に岩燕、雨燕、腰赤燕、砂潜燕、琉球燕などがある、山岳地帯に行くと岩燕がよく見られる、普通の燕よりは小形で特徴は尾の短かい事である、腰赤燕は名の通り腰部に赤色の部分がある、雨燕は別に雨燕科といふ一科を有し、針尾雨燕などの種類がある、燕の漢名は玄鳥、乙鳥、越燕などと呼び、日本では『つばめ』と呼ぶ外に『つばくろ』『つばくら』『つばくらめ』などといふ、『つばくろ』は蓋し翼の黒いといふ意味であらう、春四月頃渡来して繁殖を営み、秋になると南の暖国に去つて行く、その巣を忘れぬ習性もよく知られて愛せられてゐる、近来浜名湖畔と京都の桂川に越冬する燕が発見せられて話題となつてゐる。

燕を画いた作

尾形光琳筆  『波に燕』   横浜原氏蔵

勝田竹翁筆  『蓮燕図』

狩野元信筆  『柳燕図』   松平侯爵家旧蔵

高熊暉筆   『山水飛燕』  神戸川崎家旧蔵

橋本雅邦筆  『柳燕図』   米国聖路易博出品

現代の作家にも燕の作は多く枚挙に遑もない。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)