源義経の伝説

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総合

 源義経(当時は牛若丸)は七歳の時に鞍馬寺へ預けられ、寺を抜け出して奥州に向かうまでの約十年間をそこで暮らした。一五歳までは学問に精を出し、常に優秀であったが、少進坊(正門坊とも)という法師が寺へやってきて、彼から源氏代々の出来事を詳しく聞かされ以来、明けても暮れても平家打倒のことばかり考えるようになった。学問一途の日々から、身体を鍛え、武芸に励む日々へと変わり、鞍馬山本堂の裏山を越えて、貴船神社に至る僧正が谷が修練の場となった。そこは当時、世の中の乱れに伴い荒れ果てた場所となっており、妖怪変化が出没する場所として避けられていた。そこで武術の鍛錬をしていたことから、天狗を相手に剣術訓練に励んだという伝説が誕生した。浄瑠璃物語において、牛若丸が吹上の浜で姫と再会した場面において、姫が天狗の霊力を借りて矢矧に向かうが、これは鞍馬の天狗の伝説が関係していると考えられる。