水滸伝

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すいこでん


総合

『水滸伝』は中国の長編伝奇小説である。元末・明初頃の著作とされるも未詳。
北宋末に実際にあった農民叛乱を下地に、次第に出来上がってきた大長編小説であり、最初は語りとしての水滸伝であった。史実を踏まえ、宋末に成る歴史小説『宣和遺事』に基づき、「宋史」にみえる宋江伝説や民間説話、雑劇などを母体として形成された白話文学で、歌入り講談や雑劇などに取り入れられていた既存の豪傑たちの物語類を集大成している。
作者は羅貫中とも施耐菴とも言われている。中国の四大奇書の一に数えられる。

宋代の群盗宋江ら一〇八人の豪傑が梁山泊に集まり、義を誓って活躍する。


日本に早く伝わって訳本が出、岡島冠山『通俗忠義水滸伝』から流行して、『新編水滸画伝』など多く訳され、出版された。 繁本には最古の百回本、それを整理潤色した百二十回本、整理し短縮させた七十回本などがある。中国で多く流布したのは七十回本であるが、日本で多く流布したのは百回本や百二十回本であった。
江戸期劇作には多大の影響を与えて、中でも曲亭馬琴の翻案『傾城水滸伝』の流行から、国芳の水滸伝人物の錦絵出現と盛行を見、武者絵や見立絵にこの題材はさらに発展を見た。
また、曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』は『水滸伝』を基にしたとしても有名である。




<参考文献>
『日本国語大辞典』
『原色浮世絵大百科事典 第四巻』大修館書店 1981年
高島俊男『水滸伝と日本人』筑摩書房、2006年
高島俊男『水滸伝の世界』筑摩書房、2001年すいこでん


画題

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解説

東洋画題綜覧

支那小説四大奇書の一、全篇一百回より成り宋の徽宗皇帝の時、宋江等三十六人河朔に横行したのを張叔夜の計で帰伏せしめ方臘を討たしめたといふこと正史に見え、宣和遺事に三十六人の名を載せてゐるのに基き之を天罡星と名け別に地殺屋七十二人を加へ、計百八人の人物が活躍する小説、開巻第一は洪太尉伏魔殿を披いて魔君を走らすに始まり、千変万化を極め梁山泊に集り、後に招安を受けて官軍に帰し劇賊天慶、田虎、方臘を討つに終る、我が国には、曲亭馬琴、高井蘭山の訳本伝はり、挿絵は初め葛飾北斎が筆を執つた。その天罡星の豪傑名は左の如くである。

天魁星呼保義宋江、天罡星玉麒麟廬俊義、天機星智多星呉用、

天間星入雲竜公孫勝、天勇星大刀関勝、天雄星豹子頭林沖、

天猛星霹靂火秦明、天威星双鞭呼延灼、天英星小李広花栄、

天貴星小旋風柴進、天富星撲天鵰李応、天満星美髯公朱同、

天孤星花和尚魯智深、天傷星行者武松、天立星双鎗将董平、

天捷星没羽箭張清、天暗星青面獣楊志、天祐星金鎗手徐寧、

天空星急先鋒索超、天速星神行太保戴宗、天異星赤髪鬼劉唐、

天殺星黒旋風李逵、天微星九紋竜史進、天究星没遮攔穆弘、

天退星挿翅虎雷横、天寿星混江竜李俊、天剣星立地太歳阮小二、

天平星船火児張横、天罪星短命二郎阮小五、天損星浪裏白条張順、

天敗星活閻羅阮小七、天牢星病関索楊雄、天慧星拚命三郎石秀、

天暴星両頭蛇解珍、天哭星双尾蝎解宝、天巧星浪子燕青。

『水滸伝』は全篇到る処、絵画となつてゐるが、殊に瓦缶寺の九紋竜と魯智深の格闘、武松の虎狩などよく描かれ、葛飾北斎にも張順を描いた作がある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)