染殿

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そめどの


画題

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解説

東洋画題綜覧

染殿は太政大臣藤原良房の第宅、京都正親町の南、京極の西に在つた。其の址、いま清和院門内の南、仙洞旧院の北部に当る、良房を染殿大臣と称するのは殿の名に基くもので、貞観六年二月清和天皇此所に御幸、観桜の御宴のあつたこと国史に見えてゐる。天皇の御母藤原明子此の殿に住ませられ、世に染殿后といふ。清和天皇も一時此の殿に座したことがあると見え拾芥抄に清和御所と見え、『古今集』には、前太政大臣、即ち良房公の『染殿の后の御前に花瓶に桜の花をささせ給へるを見て詠める』と題し

としふれば齢は老いぬしかはあれど花をし見れば物思もなし

の一首があり、此の染殿の『花瓶の桜』は大和絵の好画題であり、松岡映丘にその作がある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)