東征絵伝

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とうせいえでん


画題

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解説

画題辞典

東征絵伝、一に唐招提寺縁起絵詞、又鑑真和尚行状絵詞という、五巻、大和唐招提寺にあり、国宝なり、内容は鑑真和尚が唐より我邦に来らんとして高難を排し、漸く天平勝宝五年十一月、九州に着し太宰府に抵り、更に奈良に入り上下の尊信を受けて唐招提寺を創立したる次第を叙せるものなり、六郎兵衛入道蓮行の画にして、永仁六年の施入なり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

東征絵伝は委しくは『鑑真和上東征絵伝』、若くは『鑑真和上行状絵詞』といひ、一名を『唐招提寺縁起』と呼ぶ、大和唐招提寺の蔵で国宝である、もと十二巻であつたが現存するは五巻である、其内容は鑑真和上が支那から我国に渡らうとして万難を排し漸くにして天平勝宝二年十二月我が九州に着し、太宰府に到り、次で奈良に入り上下の尊信を受けて唐招提寺の開祖となるに至る行状を画いたもの、其奥書に『画工六郎兵衛入道蓮行、筆師島田民部大夫行兼、美作前司宣方、足利伊予守俊室、大炊助入道見性』ある。筆致雄勁なるが中にも、優婉の情趣に富み重んぜらる。鎌倉時代下半期の製作といふ。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)