李箱

提供: ArtWiki
移動: 案内検索

総合

李箱(イ・サン/1910~37)
詩人・小説家。本名は金海卿。ソウル生まれ。京城高等工業学校建築科を卒業後、朝鮮総督府内務局建築科などで技師として勤務した。1930年に処女作である長編小説『一二月一二日』を『朝鮮』に連載することで作家活動を始め、その直後に『朝鮮と建築』誌に日本語詩「異常な可逆反応」「鳥瞰図」などを発表する。同年に肺結核にかかり、33年には総督府の技師を辞職。34年に金起林李泰俊鄭芝溶らが中心となったモダニズム文学団体「九人会」に参加、同年に『朝鮮中央日報』に奇抜な詩「鳥瞰図」を連載して読者の非難を浴びる。その後、立て続けに短編小説「蜘蛛、豚に会う」(36)、「つばさ」(36)、「逢別記」(36)、「童骸」(37)を発表、36年に日本に渡ってからも短編「終生記」(37)などを発表した。日本滞在中の37年に挙動不審で検挙・拘禁され、保釈で釈放されたものの、その直後に東京帝大病院に入院、病死した。その作品は30年代モダニズムの特性を先鋭に表わしており、「鳥瞰図」のように不安や恐怖を主題としながら現代人の荒涼とした内面を描く。また小説では伝統的な様式の解体を通じて現代人の生の条件を示し、「つばさ」では、いかなる日常的な現実とも関係を結べない破片化し物化した現代人の疎外が示される。

引用出典:李光鎬編/尹相仁・渡辺直紀訳『韓国の近現代文学』(法政大学出版局 2001・8・1)「人名解説」