智尊
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ちそん
画題
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解説
前賢故実
大友皇子(弘文天皇)は、自ら大軍を連れて瀬田の橋の西側に陣を敷き、天を遮るほど色とりどりの旗があり、甚だしい迫力だった。智尊は、軍の先鋒を勤め、橋の上の板を三丈ほど取除いた上で、たくさんの弓を敵に向かって射らせた。敵が攻めて来れないと思ったが、東側の将大分稚臣が、刀を揮いながら進み来て、これに驚いて西側の守兵が逃出した。智尊は大いに怒り、刀を抜いて退く者を斬ったが、止めることができなかった。そして、西側の軍勢は大きく崩れてしまった。智尊は橋の上で一人で奮戦していたが、やがて斬られて死んだ。その間、大友皇子は逃出すことができた。
(『前賢故実』)