文室巻雄
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ふんやの まきお
画題
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解説
前賢故実
中納言綿麻呂の九男。幼い頃より体力があり、弓馬に長け、馬に乗りながら弓を射るのを得意とした。文徳天皇が皇太子だったとき、帯刀舎人として皇太子に仕えていた。文徳天皇が即位すると、巻雄は相模掾から右兵衛少尉に昇進。数年後、從四位上にまで累進、相模守となった。巻雄は身体が軽くて素早かった。かつては戯れに牛車を曳いていた牛の頭を踏み台にして、跳躍し車の上を飛び越えて、車の後ろに立ったことがある。また、白昼に狐が東宮の屋根上を走っていたため、巻雄はすばやく屋根上に登り、狐に追付いて斬り殺した。天皇を警護する際、昼夜を問わず宮殿に留まり、まめに宿衛したことにおいては並ぶ者がなかった。仁和三年卒、享年七十八歳。
(『前賢故実』)