摩利支天

提供: ArtWiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

まりしてん


画題

画像(Open)


解説

画題辞典

佛経にて天王の一なり、梵語陽燄と譯す、其形相見るべからず、捉ふべからず、人も焦く能はず水も濡する能はず、陽炎の如しといふ、国を護り民を護り又兵火の難を救ふ、帝釈天の眷属として日天に附属し、其の行く所に前行し四天下に巡行す、要するに太陽神たる日天の先駆なれば、かねて暁の神なり、様々の障魔に打成つて太陽神の道を開くものなり、三面六臂劒戟を持し猪に乗たる男性的の張き委を以て顧はさるゝことあり、又夜陰を破りて始めて天地万物に日光を與へて蘇生せしむる麗はしき神なれば時としてば女性的の清麗なるものを以て象徴せらる、我国にては武士の守本尊となす、鎌倉時代の画にして名高きもの京都聖護院の所蔵あり、国宝なり。近衛公僻家旧蔵狩野探幽画く所三幅對は左右を山水とし摩利支天は形を画か図猪の背に図を描き中に鳥を點ぜり、純芸術として筆せるものなり、此種の図他に亦その数多し。

(『画題辞典』斎藤隆三)