手ぬぐい

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総合

日光を除けたり塵や埃を防ぐために旅人たちは、しばしば手ぬぐいを頭に冠った。 その冠り方は様々である。頬冠り、大臣冠り、喧嘩冠り、泥棒冠りなどがある。

重兵衛の冠り方は「米屋冠り」であるように見える。これは糖ぼこりの中で働く米屋が埃よけに考案したもので米屋以外の者もよく用いた。手ぬぐいの一方の端から頭に巻き、上の方に寄せて、巻き終わりの端を前の隅に挟むようにして止めるという巻き方である。

京阪では、始め眼を覆うぐらいに巻きかぶり、終わりに隅を額に出し眼を覆った部分を上に引き返して挟み込む。

江戸では、始めから目上に巻きかぶる。重兵衛はこちらの巻き方であると思われる。



(『近世日本風俗事典』日本図書センター、2011年3月、金沢康隆『江戸服飾史』青蛙房、1962年10月)