慕帰絵詞

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ぼきえことば


画題

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解説

東洋画題綜覧

絵詞の一つで本願寺の覚如上人の生涯を画いた紙本着色の絵巻で十巻ある、奥書には、

右十佚之篇目、一部之旨趣、記先師之行跡課当時之画匠、偏依中懐之難黙、不顧外見之所嘲者也、可慙々々可憚々々、辺山老襟大和尚位慈俊記

とある、即ち慈俊が覚如上人を慕ふの余り自からこれを記したもので、慈俊は従覚といひ、初め其名を光真といひ、後、光楯と改め、又光尋というた、童名は光珠丸、存覚の同母弟で、日野俊光の猶子となつたが、応長元年十七で薙髪し頼禅僧正の弟子となり、後、青蓮院慈道親王の徒となつたが遂に真宗に帰し延文五年六月二十日入寂した、此の絵詞の筆者は藤原隆章、隆昌、久信の三人で十巻を分担して筆を執つてゐる、南北朝頃の作としてよく十巻が完全に揃つて居り筆者の明確に記されてゐる点でも貴重なもの、西本願寺所蔵で、明治三十六年に国宝に指定されてゐる。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)