引抜き

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ひきぬき


歌舞伎衣裳の特殊な仕掛で、舞台で演技中に一瞬その衣裳を変ずることをいう。

ある人物が本性をあらわす時、役の性格が変るとき、また舞踊で見た目に変化をつけるときなどに用いられ、劇的効果を高める歌舞伎独特の演出法である。その方法は次の衣裳をあらかじめ下に着込み、上へ前の衣裳を着、先に玉のついた糸で留めておく。キッカケで後見がその玉を引くとバラリと上の衣裳がとれる仕掛となる。「本朝廿四孝」の八重垣姫、「道成寺」「鷺娘」など。このほか仕掛の衣裳として、「ぶっかえり」がある。




クドキ・・・女形の心情を吐露する場面のことで、義太夫にのって悲痛に訴える。所作事の中半にもある。

所作事・・・舞踊あるいは舞踏劇の総称。舞台に足やすそのすべりがよい所作代という舞台を敷く。一日の狂言立てで、時代物、世話物の間に上演される。「中幕」ともいう。

(引用 歌舞伎ハンドブック第三版 2006年 編者 藤田洋)

ぶっかえり……引抜きの一種。演技中に肩の糸を抜くと、衣装の上半分が帯を中心に前後に垂れ、別の衣装になる。

引抜き……衣装を二枚にかさねて仮縫いし、演技中に居所でしつけ糸を抜き、上の衣装を引き抜く仕掛け。

義太夫……竹本とも。人形繰りの語りとして竹本義太夫の創始した浄瑠璃。舞踏では人形浄瑠璃作品を移した曲や力強い所作を含む曲において用いる。

(引用 舞踏集 歌舞伎オン・ステージ 1988年 編集者・郡司正勝 白水社)