布都御魂

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ふつのみたま


画題

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解説

東洋画題綜覧

神武天皇御東征の砌、紀伊国熊野で高倉下と云ふもの天皇に捧げた名剣の名、これに依つて皇軍俄かに振ひ賊を征服する。その高倉下の名剣を捧ぐる場面よく画かる。

故、神倭伊波礼毘古命、其処より廻り幸まして熊野の村に到ませる時に、大なる熊山より出でゝ即ち失せぬ、爾神倭伊波礼毘古命倐忽に瘁えまし及御軍の皆瘁えて伏しき、此の時に熊野の高倉下横刀を齎ちて天つ神の御子の伏せる地に到て献る時に、天つ神の御子即ち寤起まして「長寝しつるかも」と詔り給ひき、故、其の横刀を受け取り給ふ、時に、其の熊野の山の荒ぶる神、自ら皆切仆さえて爾其の惑伏する御軍悉に寤起たりき。

高倉下の霊剣を献る場面は好個の画題であり左の作がある。

安田靫彦筆  『布都御魂』  第二回朱弦会出品

吉村忠夫筆  『霊剣』    第一回国画院出品

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)