寄生

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やどりぎ


画題

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解説

画題辞典

「やどりぎ」は源氏物語の一巻なり、宇治のうばそくの宮失せ玉ひ、後、姉君も果て、中の君は匂官に参り、宇治の宮荒れ果てたるを、越めてなきあとのかなみと、中の君と言ひ合にせ、薫の大将、之を寺となし、震殿など作り、かの姫達の後見せし辨の君のあね君に後れて尼となりしを此寺守りとなし、跡弔らはせらる、薫折ふし参り玉ふ、或る時日昏れて泊まり玉ふ、やどり木を思ひ出すは木のもとのたびねもいかにさびしからましとありしなり、この巻また源氏絵の一として画かる。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

源氏物語』宇治十帖の一で薫大将廿三歳から、廿五歳まで三ケ年の事を記してゐる、宇治の優婆塞の宮世を去り、姉の姫も果て、中の君は匂宮に参つて、宇治の宮も荒れてしまつた、薫大将はそゞろにあはれに思ひ、中の君を語らひ、あとを寺として、姫達の後見をしてゐた弁の君が尼となつて守ることになつた、薫大将は時に訪れ、一夜を泊つて帰ることもあつた、巻の名は、薫が尼と別れてゆく一節

木枯のたへがたきまで吹きとほしたるに、残る梢もなくちりしきたる紅葉をふみ分けける跡も見わたして、頓にもえ出で給はず、いと気色ある深山木に、やどりたる蔦の色ぞまた残りたる、こぞになど少しひきとらせ給ひて、宮へと思しくてもたせ給ふ。

やどり木と思ひ出でずばこのもとの旅ねもいかにさびしからまし

と、ひとりごち給ふを聞きて、尼君

荒れはつるくち木のもとをやどりぎと思ひおきけるほどの悲しさ

から来てゐる、源氏絵としてよく画かる。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)