宇智野の雪

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うちののゆき


画題

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解説

東洋画題綜覧

宇智野は内野で、禁中をいふ、『うちのゝ雪』は、増鏡第五後深草天皇の条にある、左の一節から題名を取つてゐるもので、これがまた画題となつて大和絵に画かれてゐる。

大嘗会の頃、信実の朝臣といひし歌よみの女の少将の内侍、大内の女工所にさぶらふに雪いみじう日比降りて、いかめしう積もりたるあかつき、太政大臣のたまひつかはしける、

九の重のおほうち山のいかならむかぎりもしらずつもる雪かな

  御かへし、少将の内侍

ここのへのうちのゝ雪に跡つけて遥かに千代のみちをみるかな

と、即ち女工所に於ける少将の内侍を画いてゐるので左の作がある。

小堀鞆音筆  第四回絵画共進会出品

吉川霊華筆  霊華遺芳所蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)