季札

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きさつ


画題

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解説

画題辞典

季札は呉太白十九世の孫なり。曽つて使して徐君を過ぐ、徐君季札佩ぶる所の剣を見て欲せしが如きも口に言わず、季札心に之を知り、上国に使し帰途再び之を過り、剣を与えんとせしに、時に徐君已に死して在らず、季札即ち其剣を徐君が家樹に繋げて去る。徐人歌うて曰く「延陵季子兮不忘故、脱千金之剣兮帯丘墓」。和漢共に画く所のものなり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

支那周代の人、呉の秦伯二十世の孫である、父を寿夢といひ、札の賢明を愛し、末子にも拘らず位を譲らうとしたが、札が之を辞したので延陵に封じた、そこで延陵の季子と呼んだ、ある時魯に使し、その途中徐の国を過ぎたが、徐の君、季札の剣を見、これを懇望して止まず、然し札は使の途になる故を以て之を与へず、使を果して再び徐の国を過ぎ、剣を徐君に贈らうとしたが、徐君は既に世を去つてゐた、季札は即ちその墓を訪ひ、これを傍の樹に繋けて去る、その約に厚きに感じて、徐人歌ふらく

延陵季子兮不忘故、脱千金之剣兮帯丘墓。

と、古来描かる処少くない。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)