嬢景清八島日記

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人形浄瑠璃。時代物。五段。

豊竹座初演。

本作は、明和元年九月十三日に没した豊竹越前少掾(えん)の追善作で、かつて彼が初演曲した三作品(享保十年十月初演『大仏殿万代石楚』、享保十七年九月『待賢門夜軍(たいけんもんよるのいくさ)』、宝暦四年七月『義経腰越状(こしごえじょう)』の各七行本の既成板本を流用、取り合わせて成る。特に「大仏殿万代石楚」は、「嬢景清八島日記」の三段目として再演を重ね、こんにちの人形浄瑠璃文楽に伝わる。

日向に流された父親を娘が尋ねる三段目が歌舞伎に移され、特に有名になった。


景清の娘糸滝は、日向にいる盲目の父景清を都に連れ戻し仕官させたいと、わが身を手越の宿花菱屋に売ろうとする。孝行に感じた花菱屋の主人左次太夫に連れられ日向まで父を尋ねてくるが、盲目の乞食となった景清は、父は餓死したと偽り、帰そうとする。娘を追い返したあと、娘の孝行の金を手渡された景清は慟哭する。



参考

長谷川強「西沢一風全集」 汲古書院 2005年10月

下中直人「新訂・増補歌舞伎事典」平凡社 2000年