夏祭浪花鑑

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なつまつりなにわかがみ


総合


歌舞伎

夏祭人物関係図

浄瑠璃、九段、世話物。並木千柳・三好松洛・竹田小出雲合作。延享二年(1745)7月大坂竹本座初演。 元禄の頃大当りをとった歌舞伎狂言「宿無団七時雨傘」を題材とし、団七九郎兵衛、釣船三婦、一寸徳兵衛及びその女房等を主要人物とし、大阪侠客の達引を描いた作。今日では三段目「住吉鳥居前」、六段目「三婦内」、七段日「長町裏」の三場が上演される。 ・元禄年間=大坂長町裏で起きた「魚屋団七の舅殺し」 (元禄11年 片岡仁左衛門による宿無団七の芝居の記録あり) ・1744年(延享元)=賭博の出入で起きた魚屋の長町裏の殺人事件 これらが素材となっている。 大変な人気となり、1745年8月、早速京都都万太夫座で歌舞伎化、同年12月には、大坂歌舞伎3座で競演。書換作品として明和5(1768)8月大坂竹田座の「宿無団七時雨傘」があり、この作品は、文化3(1806)には浄瑠璃化された。 見所は団七と徳兵衛の立ち廻り及び、長町裏義平次殺しで、団七の種々な見得。はじめての長篇世話物で、浄瑠瑠全盛期の傑作の一。人形にはじめて帷子を着せ、本泥、本水を使うなど、夏狂言としての新工夫が加えられている。

あらすじ

 泉州浜田の家中 玉島兵太夫の忰磯之丞は、堺の遊女琴浦に溺れて放埒を尽くし、勘当される。兵太夫の恩を受けていた堺の魚売団七九郎兵衛は、琴浦と添わせるべく磯之丞の世話をする。  磯之丞の恋敵大鳥佐賀右衛門は、琴浦を手に入れようと奸計し、一寸徳兵衛を味方につける。団七と徳兵衛は達引きとなったが、徳兵衛も玉島家の恩顧を受けたものであることが判明し、団七と徳兵衛は義兄弟の契りを結んで、磯之丞を守ることになり、釣船の三婦の許に磯之丞と琴浦を匿う。  徳兵衛の女房お辰は、磯之丞を備中玉島へ送り届けるため、自らの額に焼き鏝を当てて、醜婦となる。  団七の舅三河屋義平次は琴浦を奪い、大鳥に渡して金にしようとするが、追付いた団七はさまざまな恥辱にたえ、歎願するも聞入れぬので、思わずも舅を殺してしまう。  舅殺しが露見した団七は、一旦玉島に逃れるが、自ら名乗って縄目にかかる。大鳥も旧悪が露顕して磯之丞は帰参が叶う。