墨子

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ぼくし


画題

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解説

画題辞典

墨子、支那列仙の一なり、名は翟、宋の人。仕へて太夫となる、外にに経典を陳し、内にば進術を修す、書を著はすこと十篇、號して墨子となす、公輸子嘗つて楚王の為めに雲梯を造り宋を攻めんとず、墨子楚王を説き之を罷めしむ年八十二、嘆して曰く、世事知るべきのみ、榮位長く保つべきにあらず、将に流俗を委て赤松子に従つて遊ばんと、印ら門人を謝し、至道を精思し神仙を想像す、是に於て夜毎に左右の山間に誦書の声を聞く、臥して後毎に人有り衣を以て之を覆ふ、墨子乃ち之を伺ひて、人あるを見、問うて曰く君は山巌の霊にあらずや、願くば誨ゆるに道教を以てせよと、神人曰く何を求めんとする、墨子曰く長生を得て天地と相畢らんのみと、是に於て神人授くるに素書三十五巻を以てす、墨子拝受合作遂に数を得、漢武帝の時聘されたれども應せず、五獄に用遊して一處に止まらず。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

支那仙人の一、山嶽の霊と問答したり五嶽を周遊したり、山に縁があるのが面白い、『列仙伝』に曰く

墨子者、名翟、宋人也、仕宋為大夫、外陳経典、内修道術、著書十篇号為墨子、公輸子嘗為楚王造雲梯、以攻宋、墨子説楚王而罷之、年八十有二、乃歎曰、世事已可知己、栄位非可長保、将委流俗以従赤松子遊矣、乃謝遣門人、精思至道、想像神仙、於是夜常聞左右山間有誦書声、毎臥後毎有人以衣覆之、墨子乃伺之見有一人乃起問之曰、君豈非山嶽之霊乎、願誨以道教神人曰、子有仙骨志旦好道、故来相候、子欲何求、墨子曰、願得長生与天地相畢耳、於是神人授以素書朱英丸方、道霊教戒、五行変化、凡三十五巻、墨子拝受、合作遂得其効乃撰集五行記五巻、至漢武帝時遣使者楊遼束帛加璧以聘墨子、墨子不出、視其顔色如五六十歳人、周遊五嶽不止一処也。  (有像列仙伝)

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)