地獄

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じごく


画題

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解説

画題辞典

仏説に、極楽世界に対する苦悪の世界の謂なり、三途、三悪道、六趣の一にして、閻浮提の地下二万由旬に在り、無間地獄という、縦横各々二万由旬、その上に重畳して阿鼻大焦熱、焦熱、大叫喚、叫喚、衆合、黒縄、等汚の八地獄あり、之を八熱地獄と称す、此各地獄四面に門あり、門外亦各小地獄あり、亦十六眷族の別所を有す、又此八熱地獄の其周囲には頞部陀、尼刺部陀、頞哳吒、瞳臛婆、虎々婆、嗢鉢羅、鉢特摩、摩訶鉢特摩の八寒地獄あり、閻魔大王は此境の大王にして、牛頭馬頭は獄卒なり、人現世に於て悪業を積めば、此地獄に落ち、獄卒の糾命を蒙ると説かる、之れが光景を画けるもの、仏門にその種多きが中に、

伝恵心僧都筆地獄図(京都金戒光明寺所蔵)、地獄草紙絵巻(大聖院旧蔵、原富太郎氏所蔵)、土佐光長筆地獄双紙(武蔵柏木氏旧蔵)、慶鼎筆地獄絵巻(九鬼男爵所蔵)、筆者不明地獄絵巻(岡山安住寺所蔵)等見るべし。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

地獄は地獄道、地獄界の略、梵語で捺落迦といひ又、奈利とも記す、人悪、不可楽、苦器とも訳す、獄は囚で罪人を守つて罪室から出られぬやうにする、この獄が地下にあるが故に地獄といふ、『婆沙論』に、瞻部洲下、過五百踰繕那、乃有其獄、といふ、地獄に三種ある、一に根本地獄、二に近辺地獄、三に孤独地獄之である、根本地獄とは等活、黒縄・衆合・号叫・大号叫・炎熱・極熱・無間の八大地獄であり、近辺地獄にも煻煨増・屍糞増・鋒刃増・烈河増の四あり、この四、一大地獄の四方何れにもある、故に一大地獄に十六増の近辺地獄、八大地獄に百二十八増の近辺地獄がある、これに根本の八を合し総計百三十六地獄となる、孤独地獄とは山間、曠野、樹下、空中に忽然として現はるゝ地獄であり、地獄の業風といふのは地獄の業力といふのと同じで、悪業の力、よく諸の衆生を牽いて悪魔に苦を受けしむること恰も物の風の為めに吹かれて飄へれる如くなるをいふ。     (仏教辞林)

閻魔大王は此の国の大王で獄卒は牛頭馬頭である。人悪業を積めば、忽ち地獄に墜ちて苛責を受けるといふ、仏門に画かるもの極めて多い。

筆者不明    『地獄草子絵巻』  備前安住院蔵

伝土佐光長筆            益田男爵家蔵

筆者不明    同 残欠      横浜原氏蔵

慶鼎筆     同         九鬼男爵家旧蔵

伝恵心僧都筆            京都金戒光明寺蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)