叭々鳥

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ははちょう


画題

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解説

東洋画題綜覧

叭々鳥、又、八歌鳥とも称へる、椋鳥科に属する中形の鳥で支那の中央から比律賓地方に産する、色彩は総体が光沢のある黒色で嘴は鮮かな緑黄色、脚は橙色で額には房々した幘があり、初列風切の基と小翼羽の外縁、尾の先端と下尾筒の先やゝ白く、その飛翔する時翼の白い斑点が丁魔八字の形に見えるので此の名があり、舌を切つてやれば、よく人語や他鳥の真似をする、文人画としてよく画かるゝ処、哵々鳥、寒皐、鸜鵒などの別名があり、本邦には棲息せず飼鳥として輸入される。

この鳥を画いた名画は少くない、主な作を二三挙げる。

牧谿筆    『雨中叭々鳥』   井上侯爵家旧蔵

同      『老松叭々鳥』   松平伯爵家旧蔵

雪舟筆    『岩上叭々鳥』   吉田楓軒氏旧蔵

同      『枯木叭々鳥』   神戸田村氏旧蔵

雪村筆    『柳叭々鳥』    本多家伝来

宮本二天筆            水戸徳川家旧蔵

狩野元信筆  『雪中叭々鳥』   神戸川崎家旧蔵

尾形乾山筆  『円窓叭々鳥』   別府新七氏蔵

等禅作    『水墨叭々鳥』   松浦伯爵家旧蔵

横山大観筆            某宮家旧蔵

荒木十畝筆  『枯木叭々鳥』   読画堂蔵

堅山南風筆  『射翠帖』     廿一回院展出品

西沢笛畝筆  『閑庭』      第八回帝展出品

榊原紫峰筆  『竹林叭々鳥』   画集収載

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)