円子川

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まりこがわ


画題

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解説

東洋画題綜覧

鞠子川にも作る、相模の国の川の名、梶原景高が和歌に堪能であつた逸事、『源平盛衰記』にある。

又京上の御伴に相模国円子川を渡給へりけるに、梶原少用ありて片方に下居たりけるが、御伴にさがりぬと一鞭あてゝ打程に、此河の河中にて馳時奉たりけるに、沛艾の馬にて、鎌倉殿に水をさゝと蹴懸奉、御気色悪うて、きと睨返り給ひたりけるに、梶原

円子川ければぞ波はあがりける

と仕りて手綱をゆりすゑければ、御気色なほり給ひて打うそぶき、ければぞ波はあがりけると、二三返詠じ給て、向の岸に打上り、馬の頭を梶原に引向て

かゝりあしくも人や見るらん

と付給ひ、かゝる発句脇句いづれ増れりとぞ仰ける。  (盛衰記三十七巻)

此の『円子川』を描いたもの伊東紅雲の作がある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)