六玉川
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ろくたまがわ
画題
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解説
画題辞典
武蔵の玉川、井手の玉川、高野の玉川、摂津の玉川、野田の玉川、野路の玉川を六玉川といふ、各その條を見るべし。葛飾北齋筆六玉川十二幅(本間耕曹氏所蔵)
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
歌枕として、有名な玉川が六つあり、世にこれを六玉川といひ、箏曲に作られたり、富本や清元にもこれがある、六玉川は左の通り
井手の玉川 山城国綴喜郡玉水駅の傍を流れ木津川に入る、平時は涸れてゐる故水無川ともいふ、古は山吹と蛙の名所であつた。
駒とめてなほ水かはん山吹の花の露そふ井手の玉川 藤原俊成
高野の玉川 紀伊の国高野山にある。
忘れても汲みやしつらん旅人の高野の奥の玉川の水 空海
調布の玉川 武蔵の国にある、源を甲斐に発し下流を六郷川といふ、玉川上水となるもの、鮎が名産である。
玉川にさらす手づくりさら/\に昔の人の恋しきなぞや 拾遺集
野路の玉川 近江国栗太郡老上村野路にある、萩の名所。
明日も来ん野路の玉川萩こえて色なる浪に月宿りけり 源俊頼
野田の玉川 陸前国宮城郡多嘉城村、今は田間の小溝。
夕されば汐風みちてみちのくの野田の玉川千鳥なくなり 能因法師
三島の玉川 摂津の国三島郡三個牧村西面田の中の小溝となつてゐる。
見渡せば波のしがらみかけてけり卯の花咲ける玉川の里 相模
六玉川を画いたものには、浮世絵が多い。
磯田湖竜斎筆 『三島玉川』 松方氏蔵
同 『井手玉川』 同
喜多川歌麿筆 『高野玉川』 同
窪俊満筆 『井手の玉川』 所蔵者不明
同 『野田の玉川』 同
鈴木春信筆 『野田の玉川』 同
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)
むたまがわ「六玉川」を見よ。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)