六十六部

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ろくじゅうろくぶ


画題

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解説

画題辞典

六十六部に廻国巡禮の一種にて、自衣白頭巾に錫杖を携へ、法華経二部つゞを全国の霊場に納めつゝ廻国する行脚僧なり、室町時代に始まり、江戸時代には僧俗共に好んで之を寫す、図せらるゝ所従つて多し。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

もと行脚僧の法華経六十六部を書写し、日本六十六箇国を遍歴して、その霊場に各一部づつを納めたのに起る、法華の行者の日本全国の国分寺又は一の宮を巡拝し法華経を唱へる者の称、転じて廻国の修行者、後世には鉦を叩き又は鈴を振り或は厨子入の仏像を背負ひなどして戸毎に銭米を乞ひ歩く順礼の修行者を云ふ、略して、『ろくぶ』  (大言海)

国の神仏に順拝するを云ふ、回国とも又略して六部とも云ふ、其扮男女ともに鼠木綿服手おひ股引脚半甲掛皆同色、各帯前に鉦を畳付て腰に下げ、或は手に鈴をふり銭を乞ふ、笠一種あり、或は厨子入の仏像を負ふもあり、三四人の内一人必負之、芝居同扮蓋鼠繻子等の服にす、西国順礼及六部には実に参詣の者あり、或は三都とも乞丐人是に扮して出る者甚多し、秩父阪東を順拝するものあれども極めて稀なり、江戸にも西国順礼は往々有之共真偽はしらず。  (守貞漫稿)

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)