仁王

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におう


画題

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解説

画題辞典

寺院の入口の謂ゆる仁王門内に安置さるゝ腰部に衣をまとひ他を裸出せる巨大の像は即ち仁王にて、本名金剛神又密跡金剛という、伝に曰く、往古さる国王二夫人を有せるに第一夫人千子を生みて皆出家す、第二夫人二子を生む、兄は即ち金剛力士にして諸兄の成道を守護す、弟は梵王となりて諸兄成仏の際法輪を転ぜんと誓ふ、古来之を二王の本拠とす、兄金剛力士即ち今日の仁王なり、その二体とせるは寺門に応じて変応自在なるを示すベく相対とせしめしものなり、左を密跡金剛、右を那羅延金剛という、其の之を寺門に置く理由に就きては秘蔵記に「金剛智也、此智摧滅煩悩、如金剛強力摧破諸物、其開発心実相門以智恵、故先門立金剛内置仏身」、絵に描かるゝは極めて少し、

奈良興福寺に藤原期の逸品あり、京都妙心寺所蔵に曽我蛇足の筆あり、墨画二幅にして珍とすべし。

(『画題辞典』斎藤隆三)