二尊院

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にそんいん


画題

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解説

東洋画題綜覧

嵯峨小倉山二尊院は京名所の一、今は浄土宗に属してゐる、『都名所図会』に曰く

小倉山二尊院は愛宕の南にあり宗旨は四宗の兼学なり、当院の本尊は釈迦阿弥陀の二尊なり、立像にして発遣来迎の相をあらはせり、念仏堂には法然上人の影を安置す、中門の額は後柏原院の宸筆にして小倉山とあり、本堂の額二尊教院は後奈良院の宸翰なり、当院は嵯峨天皇芹河野に行幸の時、ならびなき勝地なりとて此所をひらき給ひ、華台寺ならびに二尊教院と号せり、夫より連綿として無双の霊場となる、其の芳躅をしたひ、醍醐帝の皇子兼明親王此ほとりに山荘を営、雄蔵殿と称す、其後星霜かさなりて、中興法然上人閑居し給ひ、元久元年十一月七日、一宗機範の式七ケ条の起請文を制せられ、自筆を以て刻形をすゑらる、当院第二世信空上人を始め、西山上人等百八十九人起請に同ぜらる、おの/\自筆に名を書れけり、熊谷二郎直実も九十人目に出で、法名を蓮生としるす、又神変舎利を安置す、法然上人此舎利につきて式を作りて曰、仏子牟尼の遺教によりて浄土の一門を信じ、毎日七万遍の念仏を修して既に多年の星霜をつむ、順次往生の望いまたのみあるものか、是釈尊の恩徳なり、尤も報謝すべしとぞ書かれける。

二尊院を画いた作

武井晃陵筆  『二尊院の秋』   第八回帝展出品

東原方僊筆  『二尊院の寿木』  第十回帝展出品

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)