乳糜供養

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にゅうびくよう


画題

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解説

画題辞典

釈尊苦行を終えて、尼連禅河に身を浸し、多年の垢を去らるゝ時、二人の処女の、心願の為めとて乳糜を捧げて供養に来るものあり、是れ迦維羅衛城の太子の妃とならんことの願の為めなりという、釈尊その太子即ち其身なるも、今は修行の身となれりと告ぐ、二女然らば其の出家の志を速に遂げしめんを願ふとて、更に鉢を捧ぐという、乳糜供養というは是なり、之を画けるもの、

妙心寺所蔵に明画の一幅あり、現代にては横山大観図あり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

釈迦牟尼仏、六年の苦行を経て自覚の時代に入つたが、なほ解脱涅槃を冀つた、其の頃優婁頻螺村の酋長斯那尼の女、須闍陀は密林中に一千の牛を放しその乳を取つて五百の牛を哺乳し此の方法で十六の牛の乳で八頭の牛を哺育し、その純良濃厚の乳を得、その乳糜を鉢に盛つて釈尊に供養し、その体躯を養はしめた、これを乳糜供養と題して好画材とされてゐる。

横山大観筆  大観作品集所載

中村岳陵筆  第六回文展出品

荒井寛方筆  第二回院展出品

谷口香嶠筆  遺作集所載

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)