三宝荒神

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さんぽうこうじん


画題

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解説

画題辞典

三宝荒神は仏説の神ながら、経典に本説なく、説く所区々なり、或は如来荒神、鹿乱荒神、忿怒荒神の三神にして障碍の神なりとし、或は貪欲神、障碍神、飢渇神にして一切衆生の福徳を奪うものなりとし、或は三宝を守り悪神を退治する神なりという。仏像図彙には、頭に宝冠を頂き三面六臂弓矢剣を執るの形を図せり、俗説には不浄を忌み火の清浄を愛するというより竃神として祀らる。

東京帝室博物館に筆者不詳室町時代の作紺紙金泥の一幅あり。

又江戸時代の行旅に馬の背の左右に角形のものを結びつけ、之に子供を載せ、大人中央に跨り乗って行くを俗に三宝荒神という。風俗画として屡々画かるゝ所なり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

三宝は即ち仏宝、法宝、僧宝を護持する三百六臂の鬼神で『真俗仏事編』には「家々に荒神を祭るは役行者より始まる、大和国城上郡鷲峰山竹林寺記に曰く、人王四十一代持統天皇御宇役行者、金剛山に於て念誦し給ひければ、艮の方に当りて、赤雲一道天に通ること豎幢の如し、小角彼の地に至り、此を見れば、一神人あり、首に宝冠を戴き、六臂具足す、右第一手に独鈷、第二手に蓮華、第三手に宝塔、左第一手に鈴、第二手に宝珠、第三手に羯磨なり、徐に小角に告げて言く我は是れ三宝衛護の神にして、世に荒神といふ、我れ常に浄信修善の者を扶けて不信放逸の者を罰す、故に世人荒乱神といへり、我に若干の使者あり、帰敬三宝の者は、これを守護し仏法不帰の者はこれを罰す、然るに罰人日に多くしてまもるべき者少し、汝若し我真体を看んと思はゞ此七岫七谷の山是なりと、言ひ訖て忽ち地に歿しぬ」とある、『真俗仏事編』に現はれた荒神を普通如来荒神といひ、三宝荒神は三面忿怒の相を現はし六臂に独鈷、矢、剣、鈴、弓、杖を持つ立像である。  (仏教辞林)

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)