さんぜそう
総合
歌舞伎
常磐津の舞踊劇。三世桜田治助作。安政四年(1857)片岡我童、沢村訥升により初演。
六幕に及ぶ世話狂言の全部に常磐津の出語りがある異色長篇である。
深川芸者かしくのお園は悪者の兄長庵を殺したため、恋人六三郎と駆落し洲崎の土手で心中する。二人は亡者となり地獄極楽を遍歴し、閻魔の庁で、長庵が六三郎のかねて探している宝物を、三社祭の練物に隠したことを知る。これらはすべて夢で、六三郎は三社祭にかけつける。
浄瑠璃が全篇に入ることと、筋の奇抜さによって初演の時は、非常な人気をよび大入であったという。